TeX



通常、UNIXシステムにはワードプロセッサがありません。しかし、 もちろん文書作成は可能です。むしろ、パーソナルコンピュータの ワードプロセッサよりも上手に文書作成を行うことが出来ます。そ のためのツールがTeX です。

TeX はD. Knuthによって開発された、組版ソフト、つまり文書を 適切な書式に従って整形することが出来るソフトウェアです。特に TeX は、数式の処理、章や数式の番号の自動管理、相互参照など に優れています。また、TeX では、書式の詳細な設定、様々なマ クロの定義、簡単な計算、図の取り込みなども可能です。しかし、 TeX はワードプロセッサではないので、適当なエディタで、文章 と制御コマンドを入力することによって利用します。ある意味で、 文書をデータとするプログラミングと言えるでしょう。

LaTeX はL. Lamportによって作られたTeX のマクロです。TeX そのものよ りも、利用者が文章の論理的組み立てや表現そのものに集中できる ようになっています。ここで利用する pTeX 及びpLaTeX は日本語、特に縦書きに対応するような拡張が行われているもので す。

TeX 及びLaTeX はUNIXだけでなく、Windows95 を始めとする各種 のパーソナルコンピュータでも動作させることが可能です。また、 TeX の文書は単なるテキストファイルですから、異なる機種の間 でもネットワークを介してTeX 文書を交換することが出来ます。 このように、TeX は書式の設定が柔軟で、機種に依存しない性質 を有しているいるなどの利点があるため、専門書の著述や学術雑誌 等の投稿に広く利用されています。

文章をコンピュータで作成する目的は、単に綺麗に印刷することで はありません。手書きの文章に比較して、遥かに容易に文章の訂正 が可能です。それも、単なる字句の訂正に留まらず、文章構成の変 更も容易に行えます。つまり、コンピュータを利用することにより、 清書に時間をかけずに、内容、構成、字句の吟味に時間をかけるこ とが出来るようになります。特に、理工系の文章では、文章全体の 論理構成の適切さ、内容相互の参照の正確さが必要になります。 TeX 及びLaTeX はこのような理工系の文章の要求に答えるために 助けとなります。

TeX の使い方(PS file)
(TeX の使い方(TeX 原稿) 添付図)